このページでは中部地方の名湯を取り上げます。
ここには入っていませんが、山梨県にも多くの名湯があり、
すでに解説した下部温泉や増富温泉などがあります。
この2つは信玄の隠し湯として有名でしたね。
それでは、石川県、長野県、岐阜県、静岡県の名湯を見ていきましょう。
山中温泉(石川県)

※令和元年に架け替えされ、新しくなっています。
山中温泉は、松尾芭蕉ゆかりの地であることで知られており、
奥の細道の旅で、8泊したという記録があります。
芭蕉が好んだ湯は、
平成4年に建て替えられた共同浴場「菊の湯」です。
この菊の湯の名は、
やまなかや 菊はたおらじ 湯のにほい
(この湯に浸かると長生きできそうだ)
と芭蕉が詠んだことにちなんで名付けられたのだとか。
山中温泉にはおいしい加賀料理を提供する温泉宿もありますので、
グルメの人にもおすすめ。
石膏泉の香りと、食を堪能してください。
山代温泉(石川県)

石川県のもう一つの名湯、山代温泉。
上の写真に見られる木造建築の古総湯は、
明治の総湯建築を見事に復元し、山代温泉のシンボルとなっています。
浴室の床や壁には加賀陶磁器である九谷焼のタイルをあしらい、
窓にはステンドグラス。
入浴しながらも温泉の歴史やこの地方の文化が楽しめる
体験型の温泉施設は、訪れる人々を楽しませています。
老舗旅館などでも、九谷焼きの器に盛られた加賀料理を味わえたりと、
加賀伝統文化を体験できます。
湯田中渋温泉郷(長野県)

湯田中渋温泉郷とは、地獄谷、上林(かんばやし)、
沓野(くつの)、渋など10以上の温泉地からなる大温泉郷です。
泉質は塩化物泉、硫酸塩泉など多様。
中でも渋温泉の温泉宿「金具屋」は国登録有形文化財の4層木造建築で、
一見の価値があります。
4本の直源泉を持つのも老舗旅館ならでは。
浴槽の真下で自然湧出する温泉は、贅沢そのものです。
周辺にも木造3層、4層の旅館が並びます。
野沢温泉(長野県)
野沢温泉はほとんどが自然湧出の温泉で、
源泉数は30ほどあります。
90度近い高温泉では、
地元の人が野菜や卵を浴槽で茹でている姿が見られますが、
特産の野沢菜もこうして温泉で洗われ(お菜洗いという)、
漬けられるのだとか。
野沢温泉には外湯が数カ所ありますが、
その中でも「大湯」はシンボル的存在。
江戸時代の風情漂う湯屋建築が見ものです。
別所温泉(長野県)
別所温泉は「信州の鎌倉」と言われるほど神社仏閣が多く、
歴史ある温泉地です。
温泉街は、その風情に合わせるように和風旅館が並び、
中央に北向観音堂や国宝の安楽寺八角三重塔があります。
伝統的な共同湯もあり、その一つである「石湯」は
真田幸村の隠し湯と伝承されています。
温泉施設の多くは源泉かけ流しで、
泉質はアルカリ性単純硫黄泉。
肌に優しい温泉です。
下呂温泉(岐阜県)

下呂温泉は、早くも室町時代にはその評判が定着していました。
温泉街には飲泉所や足湯があり、足湯は無料で利用できます。
「下呂発温泉博物館」などもあり、
温泉観光地としてとてもよく整備されている街と言えるでしょう。
また、開放感のある噴泉池や温泉寺など、
散策を楽しめる見どころも多くあります。
安定した湧出量に加え、新鮮なアルカリ性単純温泉が湧き出ており、
美肌の湯を求める多くの人を魅了しています。
奥飛騨温泉郷(岐阜県)

敷地内には温泉や足湯もあり、利用できる。
3000メートル級の山々が連なる
北アルプスの西麓にある奥飛騨温泉郷は、
「平湯」「福地」「新平湯」「栃尾」「新高穂」などの温泉地から成ります。
湧出量は、全国3位の37,000リットルで、
そのうちの8割が高温泉。
泉質は単純温泉をはじめ、硫化水素泉や重曹泉など。
露天風呂や浴槽の窓からは堂々たる山を拝むことができ、
自然環境も温泉も全国で指折りの温泉地と言えるでしょう。
熱海温泉(静岡県)

江戸時代、将軍御用達の湯として名湯の評価を得ていた熱海温泉。
泉質は塩化物泉をはじめ、硫酸塩泉やアルカリ性単純温泉などがあります。
熱海は大型ホテルから老舗旅館まで、さまざまな宿泊施設がありますが、
熱海の源泉をそのまま味わいたいなら
共同湯や小規模の旅館などを選ぶと良いかもしれません。
熱海はカフェや土産物屋などが並びますので、
食べ歩きや散策を楽しんでみるのもおすすめです。
伊東温泉(静岡県)
熱海に比べて温泉地としての印象が少し薄い伊東温泉ですが、
源泉数は全国で3位、湧出量は4位の温泉力があります。
宿泊施設の数が多く、実は宿泊客も非常に多いのです。
泉質は万人向けのアルカリ性単純温泉。
豊富な宿泊施設に加え、
数百円で利用できる共同浴場も10カ所あり、
そのうち8つが「七福神の湯」といいます。
施設の前に七福神の石像が一体ずつ祀ってあるのが目印。
低料金にも関わらず、源泉かけ流しの良質な温泉を体験できますので、
一つ一つ巡ってみるのが良いでしょう。
修善寺温泉(静岡県)

修善寺温泉の開湯は807年と言われており、
歴史的な名湯として今もなお残っている温泉の一つです。
修善寺温泉の魅力は、そのノスタルジックな雰囲気の温泉街にあります。
散策コースが整備され、
夜には温泉街が美しくライトアップされるので、
情緒あふれる街並みを目で楽しみながら散歩することができます。
泉質はアルカリ性単純温泉。
湯上がりは肌がしっとりします。
修善寺温泉はLesson4-1でも取り上げましたので、
復習も忘れずに行ってください。