
放射能泉の特徴と成分
放射能泉とは、温泉水1kg中にラドンを30×10-10 Ci(キュリー、8.25マッヘ)以上
有する温泉のことです。
放射能泉は、地中のラジウムが地下水に溶け、
ラドンガスとして温泉に含まれて湧出したもの。
ラジウム泉、ラドン泉とも呼ばれることがあります。
「放射能」という言葉に、日本人はどうしても敏感になってしまいます。
過去には原発の事故も発生してしまい、
ますます敬遠してしまいがちになっている傾向もあります。
しかし、放射能泉に含まれている放射能はごくごく微量。
入浴するだけでは、被爆量を気にする必要はありません。
むしろごく微量の放射能は、
体の諸症状に効果があり、それを療養泉として利用できるのです。
放射能泉の色は無色透明で、ほとんど匂いはしません。
ラドンガスは、泉温が高いと空気中に飛んでしまいますので、
放射能泉は30℃前後以下の低温泉がほとんどです。
そのため加温もせず、源泉のまま入浴するのが一般的。
肌に触れる感じは、さらりとしています。
効能
放射能泉の適応症は、
- 高尿酸症(痛風)
- 関節リウマチ
- 強直性脊椎炎 など
とされています。
放射能泉は昔より、「万病に効く」と言われていますが、
浴用と飲用で体内にラドンが吸収されます。
ただし、すぐに体外に排出されますので安心してください。
特に利尿効果が高いため、
上に掲げた痛風のほか、糖尿病、尿路の慢性炎症などにも効果的。
鎮静効果もあり、痛みを和らげる作用もあります。
また放射能の刺激によって、体の免疫力を高めてくれることでも
知られています。(ホルミシス効果)
ホルミシスとは、多量に人体に用いられた場合には有害で、
微量であれば有益な作用をもたらす現象のことを言いますが、
放射能泉のホルミシス効果については、現在も研究が進められているようです。
吸入、飲用する際には、
源泉100%かけ流しの新鮮な湯が望ましいです。
飲用の場合は、胃を保護するためにも食後が良いでしょう。

放射能泉の代表的な温泉
- 増富温泉(山梨県)
- 栃尾又温泉(新潟県)
- 村杉温泉(新潟県)
- 三朝温泉(鳥取県)
- 有馬温泉(兵庫県)
増富温泉
増富温泉が武田信玄の隠し湯であったことは、
すでにLesson2-4で学んだとおりです。
温度は30℃前後と低めですが、
長湯をしていると体が温まっていくのがわかるでしょう。
放射能泉は吸入法が効果的であることを配慮して、
蒸気吸入室を設けている温泉施設もあります。
栃尾又温泉
栃尾又温泉は、新潟県にある秘湯です。
泉温は約35℃と低温泉。
ぬるい湯で長時間長湯する入浴法を、昔から伝統的に受け継いでいます。
三朝(みささ)温泉
三朝温泉は、世界有数のラジウム含有量であるとして知られています。
放射能泉は一般的に低温泉が多いのは前述の通りですが、
三朝泉は40℃以上あり、とても稀少な高温泉となっています。
有馬温泉
有馬温泉は、「塩化物泉」のところでも取り上げましたが、
「銀泉」と呼ばれる方の温泉は、炭酸泉に放射能泉も併せ持ちます。
両方がブレンドされているため、それぞれの効能が期待できます。
放射能泉について解説しました。
放射能泉と聞いて「ちょっとこわいな」と初めは感じた人も、
今では見方が変わったのではないでしょうか。
「体に良くない」とされる放射能が含まれる放射能泉が、
「万病に効く」とされているのは、興味深いと思いませんか。
補足:含よう素泉
実は「特殊成分による温泉」はもう一種類あり、それは「含よう素泉」です。
温泉水1kg中に、よう化物イオン(I–)を10mg以上含有する温泉のことを指します。
これはうがい薬やヨードチンキ(きず薬)の成分が入っているということです。
国内には泉質名がつくほどの温泉は非常に少ないですが、
北海道の豊富温泉は、この泉質になります。
飲用で高コレステロール血症の改善をする働きや、
抗菌作用があるとされています。
ここまでで、泉質とその効能についての学習を終えました。
さまざまな泉質がありましたので、整理して覚えていきましょう。
自分の体質や悩んでいる症状に適応しそうな温泉があれば、
訪れてその効果を実感してみてはいかがでしょうか。
Lesson5では「温泉と地球」について解説をしていきます。