関東の名湯は、群馬県と栃木県に軍配が上がるようです。
特に群馬県は、全国的にもっとも有名な草津温泉を筆頭に、
伊香保温泉、万座温泉と続きます。
奥鬼怒温泉郷(栃木県)
奥鬼怒温泉郷は、「八丁湯」「加仁湯(かにゆ)」「日光澤」「手白澤」の
4温泉地から成る温泉郷です。
1つの温泉地に、宿が1つずつしかありません。
八丁湯は単純温泉で、
白い湯の花が舞い、淡い青緑色の湯の色が見られます。
女性専用の滝見露天風呂があるので、
ぜひ利用してみてはいかがでしょうか。
加仁湯は5つの異なる泉質が楽しめ、
硫黄の香りがする露天風呂などが人気。
加温・加水なしの源泉かけ流し温泉です。
塩原温泉郷(栃木県)

パノラマの空中散歩を楽しもう。
塩原温泉郷は、北関東を代表する温泉地で、
箒川(ほうきがわ)沿いにあります。
温泉観光地であるにもかかわらず、
自然が豊かで落ち着いた雰囲気がありながら、
かつ、良質の温泉が維持されています。
塩化物泉を中心に、複数の泉質があるのが魅力です。
中でも「新湯(あらゆ)」と「元湯」は硫黄泉で濃厚な湯が堪能できます。
元湯はこの地で最初に開湯した歴史ある温泉で、
1200年前の平安時代とされています。
現在は、山あいの秘湯となっています。
新湯にある共同湯「むじなの湯」は、
酸性硫黄泉の源泉が濃厚で、
神経痛や皮膚病に効果的と、昔からファンが多いことで有名です。
那須温泉郷(栃木県)
那須温泉郷は、「那須湯本」を中心に、「新那須」「高雄」など
複数の温泉地から成ります。
中でも那須湯本は、江戸時代の温泉番付で
草津温泉の次にランクされたことがあり、
大名が湯治に訪れるなど、歴史的にも有名。
自然湧出する酸性硫黄泉が、糖尿病や慢性皮膚炎に効きます。
伝統的共同湯である「鹿の湯」は、
温度差のある浴槽に交互に入浴する「時間湯」や、
入浴前に熱湯を何回もかぶり湯するという入浴法が伝わっています。
草津温泉(群馬県)

草津温泉は、日本を代表する温泉。
江戸時代の温泉番付では、不動の最高位だったことは
前述した通りです。
主要6カ所から毎分3万リットル以上もの酸性泉を自然湧出します。
上の写真の湯畑は、観光客がまず訪れる源泉広場。
開放的な雰囲気や、温泉情緒も味わえる温泉街となっています。
旅館やホテルなどさまざまな宿泊施設があり、
温泉を楽しみつつ自分流の旅ができるのが魅力。
極上の酸性泉を味わいながら、
散策を楽しんでみましょう。
草津温泉はこれまでのレッスンでも度々取り上げてきました。
特にLesson7-3を復習すると良いでしょう。
伊香保温泉(群馬県)

伊香保温泉は400年以上前に、都市計画に基づいてつくられた
温泉街です。
伊香保温泉といえば、
石段の街というイメージでしょうか。
情緒ある温泉街の街並みが今もなお残されているのです。
源泉には鉄分が含まれており、
浴槽で茶褐色の色になります。
「黄金の湯」と称されていてますが、
源泉100%かけ流しを堪能したいなら、
公共露天風呂や、老舗旅館に行ってみましょう。
また伊香保温泉は子宝の湯で、
江戸時代は圧倒的に婦人客が多かったそうです。
伊香保神社は、子宝神社として知られています。
万座温泉(群馬県)
万座温泉は標高1800メートルのところにあります。
万座は避暑地やスキーリゾートとして知られる場所ですが、
他方では日本では珍しい正苦味泉を併せ持つ酸性泉を湧出し、
しかも豊富な湯量に恵まれた温泉力のある温泉地でもあるのです。
空気が澄んでいるため、気候療法や転地療養地に適しており、
温泉保養地としてもおすすめです。
湯は乳白色で、硫化水素臭が漂いますので、
いかにも温泉地に来たという感じがします。
加水してあるにもかかわらず、
かなり濃度が高い温泉も中にはありますので、
体調を見ながら入浴をしてください。
四万温泉(群馬県)

四万温泉といえば、レトロな温泉街が魅力的な温泉地です。
周辺に草津温泉や伊香保温泉がありますので、
それほど目立たない存在ではありますが、
源泉かけ流しであったり、自然環境も非常に豊かなまま残されているため、
貴重な温泉地です。
また「胃腸の湯」や「四万の病を治す」とも言われる
優れた泉質の湯を湧出しています。
飲泉所がしっかり整備されており、新鮮な源泉が飲泉可能なのも
嬉しい魅力です。
昭和29年(1954)年には、国民保養温泉地の
第一号指定を受けていますが、
当時の環境が今もなお守られています。
法師温泉(群馬県)
法師温泉は、一軒宿からなる温泉地。
創業140年の老舗旅館「長寿館」は、
川端康成や与謝野晶子など、多くの文人に愛されたことで有名です。
本館、別館、法師乃湯の建物は、
国登録有形文化財に指定されていて、
歴史の風格を漂わせています。
4つの湯船があり、
もっとも有名な法師乃湯は、
湯船を丸太で区切ってあり、
底の玉石の隙間から源泉が湧いてくるという、贅沢な温泉。
大の温泉好きで知られる女流作家・与謝野晶子は
日本全国の温泉地を巡っていますが、
この法師乃湯に入ったとき、
”草まくら 手枕(たまくら)に似じ借らざらん 山のいでゆの丸太のまくら”
と詠み、この歌は石碑にも刻まれています。
混浴ですが、2時間ほど女性だけの時間も設定されていますので、
女性も安心して利用できるでしょう。
その他、女性専用の「長寿乃湯」もあります。
泉質は、カルシウム・ナトリウムー硫酸塩泉(石膏泉)。
箱根温泉郷(神奈川県)

江戸時代には箱根七湯と言われた箱根温泉郷。
多様な泉質がありますが、
玄関口である箱根湯本はアルカリ性単純温泉。
首都圏からも近いこの温泉は、
日帰り温泉施設が多いです。
駅前は賑わいを見せますが、
少し奥に行くと神社などがあり、
風情漂う温泉街の情緒を味わえるのが魅力。
かつての文人墨客たちが愛した老舗旅館も
今なお残っているので、訪れてみたいものです。