Lesson8-1 全国各地の名湯(1)北海道/東北

Lesson8からは、日本全国の名湯について学習します。

日本は温泉大国ですので、
多少のバラツキはあるものの、全国各地に名湯が存在します。

ところで、日本の温泉地数は世界一ということは知っていますか?

その数、3000カ所以上にもなるのです。

世界第2位はイタリアですが、
日本はイタリアの10倍以上の数の温泉地があり、
2位に大差をつけてダントツ1位なのです。

その中でも特に知っておきたい「名湯」とされる50カ所余りを、
Lesson8では取り上げます。

今回のページでは、北海道と東北地方の温泉を見ていきましょう。

北海道

北海道の温泉地数は全国1位。

総湧出量は全国第2位を誇る、日本でも代表的な温泉地です。

登別温泉(のぼりべつおんせん)

登別地獄谷

登別温泉は、人工的に掘削した温泉ではなく、
全て自然湧出によってまかなわれている珍しい温泉地です。

湧出量は1日1万トンに及び、
その源泉のほとんどは、地獄谷や大場沼を湧出源
としています。

どの宿泊施設も複数の風呂を持ち、
そのほとんどは源泉かけ流しが基本という贅沢な温泉地。

しかも、泉質が数種類あり、
酸性泉、硫黄泉、硫酸塩泉、塩化物泉、炭酸水素塩泉、含鉄泉などが
湧いています。

しかし、その泉質の中に日本でもっとも多い単純温泉が見られないことも、
この土地の特徴かもしれません。

登別温泉では、
一つの温泉施設で複数の泉質が味わえることも珍しくありません。

川湯温泉

川湯温泉は、全国的に見てもとても泉質が良い温泉です。

温泉地内にある全ての施設は、
「源泉100%かけ流し」である
ことも注目に値します。

川湯温泉の源泉と熱源は、
標高508メートルの活火山である硫黄山。

川の中にも源泉があり、
湯の川が流れることから「川湯温泉」となったそうです。

泉質はpH1.8の強酸性泉で、
これは草津温泉をしのぐ値です。

慢性皮膚病などに効果が期待できるでしょう。

東北地方

酸ヶ湯温泉

乳頭温泉郷(秋田県)

田沢湖

乳頭温泉郷については、
Lesson4-8の硫黄泉について学んだ章でも触れました。

乳頭温泉郷は、「休暇村乳頭温泉郷」「妙の湯」
「大釜」「蟹場」「孫六」「黒湯」「鶴の湯」
の総称です。

泉質は硫黄泉、酸性泉、含鉄泉、塩化物泉、
硫黄塩泉、炭酸水素塩泉、単純温泉があり、
泉質の豊富さは全国でもトップクラス。

しかし、この温泉地で特に評価されるのは自然環境です。

美しい田沢湖、そしてブナの原生林。

人気が出ても温泉地の規模を大きくせず、
秘湯的な立ち位置を保ったまま、
それぞれの温泉の個性を生かした営みが続けられています。

八幡平温泉郷(はちまんたいおんせんきょう/秋田県)

玉川温泉

八幡平温泉郷は、
「玉川」「後生掛」「蒸ノ湯(ふけのゆ)」「 大深(おおぶか)」
「大沼」「銭川」「志張元湯(しばりもとゆ)」「新玉川」の総称。

その中でも代表的なのは、玉川温泉と、後生掛温泉です。

玉川温泉は、日本一の強酸性泉。

すでに学んだ通り、箱蒸しや岩盤浴などで有名で、
その他オンドル浴なども体験できます。

このように温泉に入浴するだけではなく
温泉をさまざまな方法で利用しているのが、八幡平温泉郷の特色でもあります。

花巻南温泉郷(岩手県)

花巻市街の南、豊沢川沿いに一軒宿の温泉が点々と並んでいます。

「松倉」「志戸平」「渡り」「大沢」「山の神」「鉛」「新鉛」の総称が、
花巻南温泉郷です。

この中でも特に有名なのは、大沢温泉と鉛温泉

大沢温泉は、宮沢賢治ゆかりの温泉としても知られています。

泉質はアルカリ性単純温泉で、肌がすべすべになります。

伝統的な自炊湯治場も備えてあります。

鉛温泉は、「白猿の湯」として知られる、深さ1.4メートルの立ち湯が有名です。

須川温泉(岩手県)

須川温泉はpH2.2の酸性泉が湧き、自炊湯治場があります。

「おいらん風呂」と呼ばれる蒸し風呂、
部分蒸気浴という伝統的な湯治法が存在し、痔疾患や婦人病に効果的です。

昔は、酸性泉の殺菌力が梅毒の治療にも期待されていました。

肘折温泉(ひじおりおんせん/山形県)

山形県大蔵村にある肘折温泉には、
東北地方で数が少なくなってきた湯治場が
今もなおほとんどの宿泊施設に残っています。

4月下旬〜11月下旬に開かれる朝市は肘折温泉の名物となっており、
湯治客らが集まって活気を見せます。

泉質は、含重曹ー食塩泉を主として、
炭酸泉も自然湧出しており、飲泉も可能。

元々は、湯垢離場(ゆごりば)だったことでも知られています。

※湯垢離場については、コラムで取り上げます。

蔵王温泉(山形県)

蔵王温泉については、Lesson4-7でも少し触れましたが、
その歴史と規模を見ても東北の中では代表的な温泉地です。

東北の草津とも言われる自然湧出の強酸性泉(pH1.5)は、
非常に貴重な温泉でもあります。

しかも強酸性線にもかかわらず、湯ただれしにくいのが特徴。

源泉の中には硫黄、明礬、鉄分を含み、
乳白色の湯は、入浴すると肌が美しく見えます。

蔵王はスキーリゾートとしても知られていますので、
温泉とスキーが両方が楽しめるのも魅力でしょう。

銀山温泉(山形県)

銀山川に橋がいくつもかかり、
木造建築の3階建て、4階建ての建物が軒を連ねる、銀山温泉。

初めて訪れる人は、まるで大正時代にタイムスリップしたかのような
錯覚を覚えるでしょう。

ノスタルジックな街並みを味わいながら、
散策が楽しめる温泉地です。

泉質は硫酸塩泉でやや白濁しており、肌にも優しいです。

鳴子温泉郷(宮城県)

鳴子温泉郷は、「鳴子」「東鳴子」「川渡(かわたび)」
「中山平」「鬼首(おにこうべ)」の5地区の総称です。

2016年に、温泉郷全体が国民保養温泉地に指定されています。

泉質や湯の色が温泉によって異なるのが趣深いでしょう。

鬼首は無色透明の食塩泉系、東鳴子は黄湯や黒湯の重曹泉系、
鳴子には青白色の湯もあります。

「色がついた温泉が好き」という人にはおすすめの温泉地です。