
硫黄泉の特徴と成分
硫黄泉とは、温泉水1kg中に総硫黄を2mg以上有する温泉のことです。
遊離硫化水素が主に含有されている場合は、「硫化水素型」と明記され
区別されます(旧泉質名では「硫化水素泉」)。
硫黄泉が湧出される地域と火山の分布は同じことが多く、
特に東日本と九州に多いです。
硫黄泉の特徴として、卵が腐ったような匂いがし、
非常に温泉らしさを感じさせてくれる泉質です。
この匂いは硫化水素ガスによるもので、ガスは空気中に発散されます。
さまざまな条件により、場所によっては硫化水素中毒の危険があるため、
換気に注意して入浴する必要があります。
硫黄泉の色は、最初は無色透明です。
しかし、空気に触れて白濁したり、中には緑色(エメラルドグリーン)、青白濁など
温泉の色は変化に富みます。
白濁している温泉のほとんどは、硫黄泉と考えて良いでしょう。
また湯の花(温泉成分の沈殿物)が浮遊したりすることもあるのが特徴。
硫黄泉は、酸性であっても肌に優しいことが多く、
入浴すると肌がすべすべするのがわかります。
ところで、アクセサリー類をつけたまま温泉に浸かって、
黒ずんでしまった経験がある人は多いのではないでしょうか。
金属を黒く変色させてしまうのはこの硫黄泉の特徴であり、
特に銀は真っ黒になりやすいです。
アクセサリー類を取るのを忘れずに入浴しましょう。
効能
硫黄泉の適応症は、
- アトピー性皮膚炎
- 尋常性乾癬
- 慢性湿疹
- 表皮化膿症
- 末梢循環障害(硫化水素型のみ)
となります。
硫黄泉は万病に効くとされ、幅広い疾患に効果的とされています。
成分が皮膚から吸収され、血管拡張作用が強いため、
高血圧症、動脈硬化症などにも有効です。
炭酸泉も血管拡張作用があることをすでに学びましたが、
硫黄泉ではその100倍の強さとされています。
また硫化水素型では硫化水素ガスを吸入すると、たんが出やすくなるため、
「たんの湯」とも呼ばれ、気管支炎や喘息などにも有効。
(ただし、硫化水素中毒にならないように注意が必要)
さらに解毒作用もあり、金属中毒や薬物中毒にも特効があります。
硫黄泉の代表的な温泉

- 高湯温泉(福島県)
- 白骨温泉(長野県)
- 登別温泉(北海道)
- 乳頭温泉郷(秋田県)
- 奥塩原温泉郷(栃木県)
高湯温泉
青みがかった乳白色の美しい湯の色が特徴の高湯温泉。
温泉に近づくと強い硫黄臭も漂います。
温泉施設一軒一軒を賄う十分な湧出量があり、
しかも源泉から浴槽に溜めるまでの間に適温になるため、
加温も加水もされていない源泉100%かけ流し温泉です。
湯質のレベルが高い温泉と言えるでしょう。
登別(のぼりべつ)温泉
大場沼(上の写真参照)の沼底からは、130℃の硫黄泉が噴出しています。
登別温泉は恵まれた豊富な湧出量で、どの温泉施設も源泉かけ流しが常識。
硫黄臭が漂う町は、まさに温泉の町という風情を楽しめます。
乳頭温泉郷
乳頭温泉郷は、ブナの原生林に囲まれた、
まさしく秘湯と呼ばれるにふさわしい温泉郷です。
温泉地としての人気が高まっても規模を大きくせず、
山の中に溶け込むように温泉施設があるのが特徴。
鶴の湯、黒湯、妙乃湯など、7湯からなる温泉郷で、
乳白色の湯が魅力的です。
今回は硫黄泉について解説しました。
日本人がもっとも温泉らしいと感じる温泉は、
まさに今回学んだ硫黄泉のようです。
硫黄の匂いをかぐと、それだけで温泉地に来たという気分に
浸れるような気がしますね。
また無色透明の温泉が多い中、
硫黄泉は美しい乳白色の湯であることも、魅力ではないでしょうか。
次のページでは、放射能泉について学びましょう。