Lesson7-4 入浴方法のいろいろ(2)

前のページでは、寝湯や足湯といった比較的一般的な入浴方法とともに、
草津温泉の時間湯や泥湯など、
全国的にも珍しい入浴方法を学習しました。

このレッスンでも引き続き、
入浴方法のいろいろについて学んでいきましょう。

蒸し湯(蒸気浴)

特に高温の温泉が湧出する温泉地では、
温泉を蒸し湯として利用することがあります。

蒸し湯とは、温泉の蒸気を浴びる蒸気浴のことですが、
ミストサウナとの違いは蒸気に温泉の成分が含まれている
ことです。

蒸し湯の良い点は、温泉に浸からなくてもいいので、
体への負担が少なく長時間利用できること。

慢性疾患などに非常に効果があるとされています。

蒸し湯にはいくつかのバリエーションがありますので、
一つ一つ確認していきましょう。

箱蒸し

箱蒸しは、温泉の蒸気を箱の中に引き込み、
その中に入って蒸気浴を楽しむ方法です。

首から上だけは箱から出しておきます。

箱蒸しで有名なのは、秋田県の後生掛(ごしょうがけ)温泉や、
玉川温泉
です。

痔蒸し

下から温泉の蒸気を出し、お尻を蒸す痔蒸し。

痔疾患に効果があるとされています。

痔蒸しは山形県の瀬見温泉が有名ですが、
瀬見温泉では床に小さい穴があいており、
そこから温泉の蒸気が出るようになっています。

もう一つ有名なのは、酸ヶ湯温泉(青森県)の名物「まんじゅうふかし」

「まんじゅう」は食べるまんじゅうではなく、
津軽弁で「女性の下半身」を意味する言葉だそうです。

まんじゅうふかしは、温泉の蒸気が噴き出すところにベンチが設置してあり、
そこに服を着たまま座って下半身を温められるようになっています。

婦人病や冷え症、腰痛、痔疾患にも効果が期待できるとか。

まんじゅうふかしは、男性も利用できます。

砂蒸し

砂蒸しは海近くにある温泉などで、温泉によって温められた砂に横たわり、
体に砂をかけて温熱効果を得る方法
です。

蒸気熱と砂の圧力が体にかかることにより、
新陳代謝が高まり発汗の促進に効果
があります。

ほんの10分ほどでも、汗が噴き出してくるのを体験できるでしょう。

筋肉痛や腰痛、神経痛、関節痛などに効果が期待できます。

ただし、心臓病や高血圧症の人には不向きですので、
避けた方が良いでしょう。

別府温泉の砂湯や、指宿(いぶすき)温泉の砂蒸しが有名です。

Lesson4-2でも解説しましたので不安な人は復習しておきましょう。

岩盤浴

全国的に人気がある岩盤浴。

一度は利用した経験がある人がほとんどではないでしょうか。

岩盤浴とは、温められた天然石やセラミックなどの上に、
浴衣などを着て横たわり、体をじっくりと温めて
発汗を促す作用のある方法
です。

岩盤浴そのものは温泉とは言えませんが、
蒸気浴を併用したものなどがあるので、ここで一緒に学びましょう。

岩盤浴は体が直接温められた石に触れているため、
温灸効果がもたらされ、
肩こり、関節痛、リウマチなどの症状に効能が期待
できます。

寝て利用できるため非常にリラックス効果が高く、
ストレス解消にもつながります。

日本での岩盤浴は、秋田県の玉川温泉が発祥の地

玉川温泉の岩盤浴は、火山の熱エネルギーで温まったところ(屋外)に、
ゴザなどを敷いて横たわり、温泉の蒸気を吸い込むというもの。

玉川温泉は微量のラジウムが放出されており、
免疫力が高まる
と言われています。

飲泉

飲泉は、温泉を飲むことで病気の改善を促す温泉療養の一つです。

温泉にはたくさんのミネラルが含まれているので、
ヨーロッパでは「飲む野菜」とも言われています。

飲泉はヨーロッパでは昔から盛んです。

日本でも飲泉は歴史的に見ても古くからあったようですが、
これまでそれほど盛んにはおこなわれていません。

飲泉では、100ml〜200mlの温泉を時間をかけてゆっくり飲みます。

食前30分〜1時間ぐらいの空腹時に飲泉するのが正しい方法ですが、
放射能泉や鉄泉などは胃への刺激が強いので、食後が良いでしょう。

飲泉の適応症

飲泉による適応症は浴用による適応症とは異なります。

Lesson4でも飲泉の適応症について軽く触れましたが、
ここでもう一度おさらいしておきましょう。

塩化物泉

消化器病、慢性便秘

※禁忌症:腎臓病、高血圧症

炭酸水素塩泉

痛風、糖尿病、肝臓病

※禁忌症:炭酸水素塩泉のうち、ナトリウムー炭酸水素塩泉の場合は、
腎臓病、高血圧症が禁忌症となります。

硫酸塩泉

痛風、胆石病、肥満症、糖尿病、胆嚢炎

※禁忌症:硫酸塩泉のうち、ナトリウムー硫酸塩泉は、
腎臓病、高血圧症が禁忌症となります。

二酸化炭素泉

消化器病、慢性便秘

※禁忌症:下痢のとき

含鉄泉

貧血

酸性泉

消化器病

※禁忌症:下痢のとき

硫黄泉

糖尿病、便秘、痛風 

※禁忌症:下痢のとき   

放射能泉

痛風、消化器病、胆嚢炎、胆石病、神経痛、関節痛、筋肉痛

飲泉での注意事項

飲泉ができるのは、飲泉許可を得ている温泉のみです。

許可があることを必ず確認し、
飲泉所の温泉など、飲泉設備があるところでおこなってください。

飲泉において最も大切なことは、必ず新鮮な温泉を飲むということです。

新鮮な温泉とは、酸化していない湧出したての源泉です。

もちろんですが、浴槽のお湯を飲むなどは衛生上決してしないようにしましょう。

また、循環濾過方式の温泉も飲まないようにしてください。


2ページにわたって、入浴方法のいろいろについて学習してきました。

最近人気の岩盤浴などは温泉に限らず町の銭湯などでもよく見かけますが、
砂蒸し、痔蒸しなどがある温泉は全国的に少なくなっています。

訪問先の温泉にもしこのような施設があったら、
ぜひ体験してみてください。

今回のレッスンでは、飲泉について療養的な観点から解説しましたが、
実は別の楽しみ方もあります。

コラムで解説しますのでお楽しみに。

次のページでは、「温泉療養」について学習しましょう。