温泉には多様な入浴方法があります。
全身浴や半身浴は誰でも聞いたことがある一般的な入り方ですが、
このレッスンではそのほかのいろいろな入浴方法についても学びましょう。
入浴方法によっては、
さまざまな効能が期待できます。
入浴方法を知っていると温泉地を訪れたときに、
どのような入浴方法をすれば良いかの参考になり、
より一層温泉が楽しめるようになるでしょう。

時間湯(高温浴)
日本人は高温の温泉好きで知られています。
高温浴とは、高温の温泉に短時間入浴することですが、
高温浴で有名なのは、草津温泉の「時間湯」です。
時間湯は、48℃ほどの高温に3分間入浴するのを、
1日に3〜4回繰り返します。
草津温泉には伝統的に「湯長」という人がいて、
湯長(※)に号令をかけてもらい一斉に時間湯をおこなっていました。
時間湯は一種の刺激療法で、アトピー性皮膚炎やリウマチなどの、
頑固な慢性病に効果があるとされています。
また、体質改善も期待できるようです。
時間湯をする場合は、施設の指導のもとでおこないましょう。
(※数年前に、湯長の制度は廃止になりました。)
微温浴(ぬるよく)
入浴をしても温度を感じない(熱くも冷たくも感じない)温度を、
「不感温度」と言い、
日本人の不感温度は、35℃〜36℃とされています。
ちなみに欧米人は、日本人よりも2℃ほど不感温度が低めです。
35℃〜37℃ぐらいまでのぬるめの温泉に長時間浸かる微温浴は、
副交感神経を高めて鎮静・鎮痛作用が働きます。
微温浴には栃尾又温泉(新潟県)の「夜詰の湯」と言って、
ぬるい湯に長時間入浴する伝統的な入浴方法もあります。
高血圧症や不眠、更年期障害などに効果が期待できるようです。
微温浴については、Lesson7-6でさらに詳細を解説します。
寝湯
低温で浅めの温泉に横たわり、長めに浸かるのが寝湯です。
手足を伸ばすととてもリラックスができるので、
疲労や不眠などに効果が期待できます。
足湯

冬場は特に足が冷える人が多いです。
足湯は足だけを温泉に浸ける温泉浴ですが、
冷えてしまいがちな足を湯に浸けて温めるだけでも、
血液が温められて全身に行き渡り、体も温まります。
足湯は、足さえ裸足になれば服を着たままできるので、
手軽に楽しめるのが人気の理由です。
温泉地の中には、
人々が利用できる足湯を設置していて、
中には無料で提供をしているところもあり、
観光客をおもてなししています。
ただし、春、秋、冬は良いですが、
夏場の足湯は熱中症に注意して利用しましょう。
観光中に足湯を見かけたら、
旅の疲れを癒してみてはいかがでしょうか。
打たせ湯

2〜3メートルほどの高いところから落下してくる温泉に、
肩や首筋、腰を打たせて入浴する方法が「打たせ湯」です。
別名、「滝の湯」とも呼ばれます。
温泉の温熱作用と湯圧により、
打たれた部分の筋肉がほぐれるため、
肩こりや腰痛に効果が期待できます。
湯圧が強すぎる場合には、少し腰を浮かせたり、
立ったまま湯にあたるなどして調整してください。
逆に湯圧を強くしたいときは、伏せて利用してみましょう。
体に当たってはじかれる湯からマイナスイオンが発生して、
リラックス効果も期待できます。
泥湯(どろ湯)

温泉成分に鉱泥、泥炭など、
泥が溶け込んだ温泉で全身浴をすることを泥浴と言います。
泥によって保温効果が高まり、
さらに温泉成分や泥に含まれるミネラルなどが皮膚から吸収され、
リウマチや痛風はじめ、さまざまな効果が期待できます。
泉温にもよりますが、
20分以上ゆっくりと浸かるのが良いでしょう。
ただし、普通の温泉よりも体には負担が大きめなので、
注意して様子を見ながら入浴してください。
次のページでも引き続き、
入浴方法のいろいろについて解説します。
「蒸し湯」と「飲泉」について学びましょう。