Lesson7-5 温泉療養

娯楽で温泉に行くことはあっても、
「湯治目的」で温泉宿に滞在したことがある人は少ないのではないでしょうか。

温泉療養はさまざまな効果を持っています。

このページでは、湯治の効果や湯治中の過ごし方について、
詳しく解説していきます。

湯治の効果

湯治とは、1週間〜3週間程度温泉地に滞在して疲労を回復させ、
体の不調を治すことです。

温泉で療養することで、主に次の効果が得られます。

温熱作用

温泉に入ると血行が良くなり、
乳酸や二酸化炭素といった疲労物質の排泄が促されるため、
疲労が早く回復
します。

寝る1〜2時間前に低温の温泉にゆっくり浸かると、
副交感神経が優位になりリラックスできます。

朝起きて、眠い体をシャキッとさせたいときは、
42℃以上の熱い温泉に浸かると交感神経が刺激されるので、
目が覚めるでしょう。

静水圧作用

お湯に浸かることで胸部や腹部が圧迫され、
心臓の動きが活発になったり、呼吸数が増えて呼吸機能が促進されます。

これを温泉の「静水圧作用」と言います。

浮力作用

水の中に入ると、体は軽くなります。

浮力作用により、リラックス効果を得ることができます。

天地効果

日常から離れ、自然豊かな温泉地に行くだけで、
体が軽くなるような気がしませんか。

きれいな空気をたっぷりと吸い、
木々が風に吹かれる音、鳥や虫などの声を聞き、
美しい海や山を眺めると、
自律神経を静めてストレスを解消してくれます。

このように、普段の環境とは違う場所に身を置くことで五感が刺激され、
リラックス効果が得られることを「天地効果」
と言います。

プチ湯治をしよう

前述では、湯治は1〜3週間と説明しましたが、
忙しい現代人にとって1週間ですらまとめて休みを取るのは、
なかなか難しいと言えます。

そんなときにはプチ湯治をしてみてはいかがでしょうか。

プチ湯治は、2〜3泊だけ温泉地に滞在することです。

頑固な慢性疾患に関しては、
プチ湯治では効果をあまり感じられないかもしれません。

しかし、「予防医学」という観点からすると、
プチ湯治だけでも心身ともにリラックスできますし、
軽度の症状でしたら快方する可能性も
あります。

もともと、日本の湯治は予防医学が本質であったとも考えられますので、
日常でストレスを感じたときはプチ湯治をする、
または年に数回プチ湯治をしてストレスを溜めないようにするのが、
健康的な生活を送るのにおすすめ
です。

最近では、豪華な食事を出すばかりの宿だけではなく、
湯治を目的とした宿泊プランを用意する宿もあるようです。

また伝統的に、湯治客のための施設を併設している温泉もあり、
このような施設では自炊することもできます。

湯治をするのにふさわしい温泉地を選ぼう

湯治目的で温泉地を訪れるのなら、
それにふさわしい温泉宿を探しましょう。

特に大切なのはこの2点です。

  1. 源泉100%かけ流しであること
  2. 湯治ができるような自然豊かで落ち着いた環境であること

この2点に関してはしっかり調べておいた方が良いでしょう。

加えて、

  • 主な効能
  • 飲泉できるか
  • 客層

なども事前に下調べして確認しておくことをおすすめします。

自分の症状に合わせた泉質を選ぶことも忘れないようにしましょう。

湯治中の1日の過ごし方

  • 朝風呂

起きてすぐに朝風呂をするのは、できれば避けましょう。

身体が完全に起きていないので、まずは宿の周辺を軽く散歩して、
新鮮な空気を吸ってください。

その後に軽く入浴する程度にしましょう。

  • 朝食

朝の入浴後、少し休憩してから朝食を取ります。

朝食を食べた後はしばらくゆったりと過ごしてください。

  • 入浴

午前中にもう一度入浴をします。

風呂から上がったら軽く睡眠を取るなどして、ゆっくりと過ごしてください。

  • 昼食

ゆっくり休んだら、昼食を取ります。

昼食後は、また2時間ほどゆっくりと過ごします。

  • 入浴

休憩後に入浴したら、
また外を歩くなどして、
軽く運動すると良いでしょう。

神社やお寺を訪れたり、温泉街を散策するのが
おすすめです。

  • 夕食→入浴

夕食を食べて休憩したら、
軽く入浴します。

夜は夜更かしせず、早めに就寝しましょう。

早寝早起きが湯治の基本となります。

湯治中の過ごし方のポイントは、

  • 食後2時間は入浴を避けること
  • 入浴後は休憩すること
  • 入浴は1日に3〜4回までにすること

です。
これらに気をつけて過ごすようにしましょう。

積極的にリラックスする

温泉地で過ごす目的は温泉に浸かることだけではありません。

日常の喧騒から離れて、体も、そして脳もリラックスさせましょう。

そのためには、「リラックスしよう」と決めて、
何も考えずにぼんやり過ごしてみてください。

例えば温泉宿で、スマホでニュースやSNSを見たり、
ゲームをしていては脳が休まりません。

体と同じように、脳にも休息が必要なのです。

できれば携帯の電源はオフにして、
目の前の景色をただぼうっと眺めたり、
川の流れる音や風の音に耳をすませてみましょう。

周辺を散策したり、その土地のおいしいものを食べてみたり、
地元の人と会話をしてみたりするのも良いですね。

これによって上で説明した「天地効果」がさらに得られます。

家のお風呂に温泉を入れて入浴することを想像してみてください。

それではいくら温泉水とはいえ、いつもと変わらず、
リラックス度も同じでしょう。

温泉地に温泉があるからこそ、療養ができるのです。

温泉に入り、さらに周辺の環境も十分に楽しんで、
とにかく徹底的にリラックスを心がけてください。


湯治について解説してきました。

温泉ではゆっくりすると決め、
体も心もエネルギーチャージするようにすると、
湯治効果も高まります。

せっかくなのでゲームやスマホはしまって、
温泉や自然に身を委ねてみましょう。

次のページは「ぬる湯のすすめ」についてです。