Lesson5-1 温泉水の起源

温泉水は地球の活動によって生み出される、恵みの水です。

Lesson5では、温泉の起源や温泉の種類について、
地球の活動と関連を深めながら学習を進めていきます。

普通の水とは異なる色、香りや感触の温泉水。

温泉水は、いったい何の水だろうか?

温泉水は、いったいどこからやってくるのだろうか?

疑問に感じたことはありませんか。

このページでは、温泉水の起源について考察していきましょう。

温泉の水

温泉の水は、もともと何だったのでしょうか。

温泉水のほとんどは元来、
雨水などの天水であったと考えられています。

雨水が地下にしみ込み、それが地下水となって湧き出たものが温泉です。

その他、海水が起源の温泉もあります。

大昔に、海水が造山運動などにより閉じ込められ、
それが地温により温められて温泉になったのです。

このような海水起源の温泉水を、化石海水と呼びますが、
つまり、現在の新しい海水ではなく、化石化された太古の時代の海水なのです。

雨水や海水の他に、マグマやマントル(岩石からできた地球の内部構造のこと)
を起源とする水が温泉水になっていることもあります。

岩石は温度や圧力の変化により変成作用を受け、
その際に変性脱水流体を生じ
ますが、
これが温泉水の起源なのではないかという考え方です。

このような水は、生じてからこれまで地表に一度も出たことがなく、
火山活動や温泉活動によって初めて地表に出てくることから、
処女水、処生水などと呼ばれます。

温泉水の起源を探るには

温泉水といっても、多少の香りや色の変化はあるものの、
見たり触ったりしただけでは違いがよくわかりません。

それでは、温泉水の起源を探るにはどのようにしたら良いのでしょうか。

温泉は地下で溶存物質やガス成分が加わり、地表に出てきた水のことです。

つまり、温泉の「水」そのものや、
温泉に含まれる「成分」を個別に詳しく調べていくことで、
温泉水の起源を探ることができるのです。

例えば「水」で言えば、
水を構成する原子の重さ(質量)は、化学的に同じ種類の原子であっても、
重さが異なることがあります。

同じ原子ではありますが重さが異なる原子を、同位体と言います。

自然の中には、通常の酸素原子や水素原子よりも、
重い酸素原子と水素原子を含む重い水があり、
それは原子の組み合わせにより、さまざまな種類があります。

重い水を含む温泉水は、この同位体の比が雨水、海水、処生水でわずかに異なるのです。

「水」の調査に加え、塩分濃度の違いや、ガスの起源を紐解きながら、
温泉水の起源を推測することができます。


ここまでで温泉水の起源について学習しました。
温泉水の起源はまだわかっていないところもあり、研究が進められているところです。

「化石海水は温泉といえるのか?」という疑問を抱いた人もいるでしょう。

Lesson1で学んだ温泉の定義を思い出してみましょう。

温泉源から採取されたときの温度が25℃以上であれば、
「温泉」とみなされます。

地中深くから掘削され、地熱により温められた海水であれば
25℃以上になりますので、
化石海水も温泉になるというわけなのです。

ただし、このような溜められた水が起源の温泉は、
いつか枯渇してしまう恐れも否めませんので、その点では注意が必要だと言えるでしょう。

次のページでは、「火山性温泉」について解説します。