Lesson5-2 火山性温泉

日本は世界でも有数の火山国家です。

火山と温泉は、深い関係があることを知っていますか。

温泉には、「火山性温泉」と「非火山性温泉」がありますが、
このレッスンでは火山性温泉について解説していきます。

上のイラストを見てください。

日本列島は、海洋プレートが大陸プレートの下に沈み込んでいるところに
位置しているのがわかると思います。

そのため、昔から地震が多い地域として知られており、
火山帯があるので多くの活火山が見られます。

日本には東日本火山帯と、西日本火山帯がありますが、
火山帯の近くには必ずといっていいほど、
温泉が湧出
しています。

火山活動によって湧出する温泉を、火山性温泉と言います。

温泉地などでよく見られる地獄地形は、火山性温泉です。

下の写真にもあるように、
荒々しい山肌から噴気が昇っていたりと、
地獄地形ではいかにも温泉地らしい景観が見られます。

火山性温泉が湧くまで

火山性温泉はどのように湧出されるのでしょうか。

まず、大地に降りそそいだ雨が、地下深くに浸透していきます。

地下数キロ〜数10キロところには、マグマが上昇してできたマグマ溜まりがあり、
1000℃前後の高温層となっています。

地下に浸透してきた雨水がこのマグマ溜まりで熱せられますが、
そのとき水の温度は250℃ぐらいまでになると考えられています。

しかし、気圧が高いため沸騰してしまうことはありません。

そして熱せられた水は比重が軽いため、地表に押し出されて湧き出します。

これが、火山性温泉です。

中には、人工的に円筒状の穴をあけて(ボーリング)湧き出たものもあります。

火山の被害

火山活動のおかげもあり、日本人は温泉の恵みを身近に得ることができます。

先ほど説明した地獄地形などもまた観光資源となり、
地域社会の役にも立っているのです。

しかしその一方で、火山活動による被災の可能性も否めません。

有珠山(うすざん/北海道)

例えば、北海道の有珠山は、
これまで度重なる噴火活動
が観測されています。

2000年の有珠山の噴火では、地盤の隆起や陥没により、
道路が通行止めになりました。

熱泥流や土砂災害も発生し、橋が流されてしまうなどの被害を受け、
付近の住民には避難勧告も出されました。

熱泥流の被害は洞爺湖(とうやこ)温泉街にも及び、
甚大な被害をもたらしたのです。

復興には、経済的なダメージを少なからず与えたことでしょう。

しかし、有珠山の噴火は比較的予知がしやすく、
また地元では日ごろより防災・避難訓練をしていたため、
人的被害は奇跡的にゼロでした。

火山は噴火すれば被害も与えますが、
温泉をはじめ、恩恵を受けていることも多いのです。

この地域はしっかり住民の安全を守りつつ、火山の恵みを産業に生かし、
火山と共生することができているといえるでしょう。

雲仙・普賢岳(長崎県)

雲仙・普賢岳は、1990年に198年ぶりに噴火しました。
翌年の大火砕流では、死者・行方不明者が43人にも上りました。

噴火活動はその後5年以上も続き、観光客も大幅な減少が続きました。

火山の温泉への影響

火山による温泉への影響は、あらゆる調査・研究が進められているようです。

噴火する際、温泉水にはさまざまな変化が見られます。

まず、泉温が急激に上昇します。

そして湧出量は一時的に減少し、
温泉の成分は、全体的に増加する傾向
があります。

また、火山活動により、新しい温泉がつくられるケースもあります。

例えば先ほど解説した北海道の洞爺湖温泉は、
1910年の噴火後に出現した温泉であると考えられているのです。


今回のページでは火山性温泉について解説しました。

火山があるところは噴火の際には被害を受けますが、
その一方で「温泉」という恵みを地球の活動のおかげで得られていることが、
改めてわかったのではないでしょうか。

次のページでは、「非火山性温泉」について解説します。