
含鉄泉の特徴と成分
含鉄泉とは、温泉水1kg中に鉄イオン(鉄II及び鉄III)を20mg以上含む温泉のことです。
含鉄泉はさらに2つに大別されますが、
陰イオンが炭酸水素イオンの場合は炭酸水素塩型(炭酸鉄泉)、
陰イオンが硫酸イオンの場合は硫酸塩型(緑礬泉:りょくばんせん)となります。
含鉄泉のうち、多くの温泉は硫酸塩型となり、
炭酸水素塩型の温泉は少数です。
鉄泉は、湧出するときは無色透明。
しかし、空気に触れることで鉄分が酸化して赤褐色(茶褐色)に変化します。
伝統的に「赤湯」などと呼ばれ親しまれてきましたが、
できるだけ湧出したての新鮮なお湯に入ることが望ましいです。
匂いは鉄錆の匂いで、味は渋みと酸味があります。
湯の感触は、ねっとりするような感じがあり、
特に硫酸塩型ではそれがはっきりとわかります。
効能
含鉄泉は、特別な適応症がなく、全ての療養泉に該当する、
一般的適応症のみが当てはまります。
一般的適応症とは、疲労回復、関節リウマチ、腰痛、神経痛、五十肩、冷え性、
睡眠障害、うつ状態などのことです。
※一般適応症については、Lesson4-1を復習しましょう。
一方で飲用による適応症としては、「鉄欠乏性貧血」が掲げられています。
含鉄泉は、一般的に、
飲用で鉄分を補給できる温泉として知られています。
鉄分不足が招く貧血などに、鉄泉を飲むことで効果が得られるようです。
なお飲用するときにも、できるだけ新鮮な無色透明の温泉が
望ましいことを覚えておきましょう。
アルミニウム硫酸塩泉(明礬泉:みょうばんせん)の効能
硫酸塩泉に含まれる特殊成分の一つとして、アルミニウムが挙げられます。
アルミニウム硫酸塩泉は、温泉水1kgあたりアルミニウムイオンを100mg以上含む
硫酸塩泉のことです。
アルミニウム硫酸塩泉は一般的に、殺菌作用のある温泉として知られています。
殺菌作用により、慢性皮膚病や、水虫、じんましんに効果があります。
また美肌効果もあり、肌を引きしめて小じわなども改善してくれるでしょう。
ちなみに、全国で「目の湯」とされる温泉はこの泉質が多く、
新鮮な温泉で目を洗うと、結膜炎や白内障などにも効果があるとされています。
含鉄泉の代表的な温泉

- 恵山温泉(北海道)
- 有馬温泉(兵庫県)
- 伊香保温泉(群馬県)
- 黄金崎不老ふ死温泉(青森県)
- 松代温泉(長野県)
有馬温泉
日本三古湯とされる名湯「有馬温泉」は、豊臣秀吉がこよなく愛した温泉であったことは、
すでにLesson2-2で学びました。
有馬温泉は鉄分を含んだ赤褐色の湯ですが、
この温泉は金泉とも呼ばれています。
伊香保温泉
関東では草津温泉と肩を並べて名湯される、伊香保温泉。
鉄分を含んだ源泉は茶褐色ですが、「黄金の湯」と称されています。
松代温泉
長野県にある松代温泉は、
鉄分を含んだ湯が褐色に変色し、まさに黄金色。
武田信玄の隠し湯の一つとされていたことでも有名です。
鉄分のほか、炭酸ガス、塩分、カルシウムなども豊富に含んでいます。
今回は含鉄泉について学びました。
含鉄泉は赤褐色や茶褐色の温泉ですが、「金泉」「黄金の湯」「赤湯」などと呼ばれ、
昔から人々に親しまれてきたことが想像できますね。
次のレッスンでは、酸性泉について解説していきます。