Lesson4-5 二酸化炭素泉(炭酸泉)〈特殊成分を含む療養泉〉

Lesson4-4までは、療養泉のうち「単純温泉」と「塩類泉」について
学習してきました。

このレッスンからは、「特殊成分を含む療養泉」について解説していきます。

特殊成分を含む療養泉は、

  • 二酸化炭素泉
  • 含鉄泉
  • 酸性泉
  • 硫黄泉
  • 放射能泉

があります。

まず最初は、二酸化炭素泉の特徴や成分と、その効能などについて学びます。

二酸化炭素泉の特徴と成分

二酸化炭素泉とは、温泉水1kg中に、遊離二酸化炭素を1,000mg以上有する温泉です。

二酸化炭素泉は、ヨーロッパでは多いのですが、
日本では珍しい泉質です。

それは、泉温が高温の温泉が多い日本では、ガスが揮発してしまいやすく、
湧出した瞬間は炭酸泉であっても、浴槽に溜まるころには炭酸ではなくなっている
ことが多い
ためです。

そのため、炭酸泉の性質を保っている温泉は冷泉が多く、
泉温は40℃に届かない温泉がほとんど。

炭酸ガスがこの泉質の持ち味であるため、
源泉かけ流しでなければ二酸化炭素泉の良さを堪能するのは、難しいでしょう。

二酸化炭素泉の色は無色透明。

匂いは無臭か、わずかに酸味を感じる程度です。

「泡の湯」とも呼ばれますが、
入浴していると炭酸ガスの泡に全身が包まれていきます。

泉温が低くても、炭酸泉は血管を拡げる作用があるため、
入浴すると実際よりも数度高く感じられるのが特徴
です。

また泉温が低いため長湯ができ、
ゆっくりと浸かることで全身が温まっていきます。

効能

二酸化炭素泉の適応症は、

  • 切傷
  • 抹消循環障害
  • 冷え性、
  • 自律神経不安定症

とされています。

炭酸ガスが皮膚から吸収されると、血管が拡張され、
血流の促進に効果的。

心臓に負担をかけずに血圧を下げる効果があるため、
高血圧症・心臓病にも有効です。

そのため、「高血圧の湯」「心臓の湯」などとも呼ばれることがあります。

また糖尿病、肝臓病などにも効果があるとされており、
飲用では胃腸病や便秘などにも良いとされています。

二酸化炭素泉の代表的な温泉

ガニ湯/長湯温泉
  • 長湯温泉(大分県)
  • 小屋原温泉(島根県)
  • 広河原温泉(山形県)

長湯温泉

炭酸泉でもっとも人気があるのはやはり、大分県の長湯温泉でしょう。

泉温が30℃以上と炭酸泉の中では比較的泉温が高め。

全ての温泉施設は源泉100%かけ流しとうたっており、
温泉地としてのレベルも高いです。

炭酸ガスが浴槽に滞留するため、高濃度の炭酸泉が楽しめます。

広河原温泉

山形県の広河原温泉は、秘湯とされる温泉。

あまりにも山深い場所にあるため、一時期は放置されていたこともあります。

ここは日本で唯一の間欠泉の露天風呂。

炭酸ガスがで温泉が噴き出す、珍しい温泉として知られています。

※間欠泉とは、一定時間おきに噴出する温泉のこと。


二酸化炭素泉について解説しました。

長湯ができ、さまざまな効能があることからファンが多い泉質ではありますが、
全国の二酸化炭素泉の分布はやや少なめです。

機会があればぜひ訪れて、炭酸泉を堪能してみましょう。

次のページでは、含鉄泉について学習します。