このページでは、日本全国の秘湯を取り上げます。
秘湯というと、神秘的で田舎の山奥にあって、自然がそのまま残されていて・・・
というイメージでしょうか。
イメージそのままの秘湯もありますし、
実は、そうではない秘湯もあります。
歴史的秘湯、
確かな効能がある秘湯、
そして都内にある秘湯から、
日本最北端にある秘湯まで、
日本全国選りすぐりの秘湯を見ていきましょう。

豊富温泉(北海道)
日本最北端の温泉郷は、
稚内空港から車で50分ほどのところにある温泉地です。
豊富温泉は大正時代、石油の試掘中に噴出した温泉です。
昭和初期より、火傷やかぶれなどの症状に効果があると地元で親しまれ、
その後、乾癬やアトピーにも効果があることが口コミで広がるようになりました。
泉質は、含よう素ーナトリウムー塩化物泉と、
ナトリウム・塩化物ー炭酸水素塩泉の2種類がありますが、
どちらも僅かに油分を含み、油臭がします。
そのため、全身浴をすると湯が肌にしっとりとなじみ、
湯上がりに化粧水や乳液などをつけなくても、
肌がさほどつっぱらないのです。
美肌効果のあるメタケイ酸や消毒効果のあるメタホウ酸、
炎症鎮静効果のあるマグネシウムも含まれるため、
皮膚の症状に効用があります。
そのため、湯治客も多い傾向にあります。
赤湯温泉(新潟県)
秘湯の中の秘湯。
それが赤湯温泉です。
苗場山山麓の赤湯温泉「山口館」は、小日橋を下車後、
林道や登山道を徒歩で2時間以上行ったところにあります。
車ではアクセスできず、かなりアップダウンのある登山道を歩きますので、
体力に自信がある人向けの温泉です。
内湯はなく、露天風呂が3種類あり、
いずれも源泉かけ流し。
胃腸病に効果があると評判の温泉です。
風呂から眺める原生林は、
四季折々の顔を見せてくれます。
夜間は混浴になってしまいますが、
昼間の時間帯は女性専用時間がありますので、女性も安心して利用できます。
みくりが池温泉(富山県)

みくりが池温泉は、標高2410メートルの日本一高所にある天然温泉。
場所は、室堂ターミナルから歩いて15分ほどのところです。
地獄谷から引いた温泉は、
硫黄の香りが漂う単純酸性泉。
白く濁る湯は、無加水・無加温の源泉100%かけ流しです。
浴室の窓からは、山々や雲海が一望できます。
晴れた日の夜には、満点の星空も。
みくりが温泉は4月中旬〜11月下旬の期間限定。
気圧が低く、酸素も薄いので、
体調の良いときに訪れましょう。
高湯温泉(福島県)
高湯温泉は、吾妻山中腹の標高750メートルのところにあります。
高湯温泉には9つの源泉があり、
総湧出量は毎分3000リットル以上。
それを温泉宿ほんの数軒と共同浴場1軒のみで分けているので、
かなり豊富な湧出量となり、
当然のことながら源泉かけ流しとなります。
しかも浴場に引いてくるときに適温となるので、
大半の施設が無加水・無加温です。
泉質は酸性ー含硫黄ーカルシウム・アルミニウムー硫黄塩泉。
湧出時に透明で湧く湯は、
浴槽では空気に触れて美しい青乳白色になります。
共同浴場「あったか湯」は、
昔の湯屋を彷彿とさせる木造の建物で、
源泉100%かけ流しの評判の良い温泉施設です。
蛇の湯温泉(じゃのゆおんせん/東京都)
東京に秘湯?と驚くことでしょう。
蛇の湯温泉「たから荘」は、西多摩の山里にある温泉。
都内中心地からは車で2時間程度です。
傷ついた大蛇が川原の湯で傷を癒したことから、
このように呼ばれるようになったとか。
築300年以上の茅葺き屋根の家は、
国の登録有形文化財に指定されています。
泉質は単純硫黄泉。
源泉かけ流しではありませんが、
客室や浴室は清潔で清々しく、
南秋川のせせらぎや、周囲の豊かな自然が心地よい温泉です。
入之波温泉(しおのはおんせん/奈良県)
吉野川の源流近く、川上村大迫ダム湖の湖畔にある、
入之波温泉。
この温泉の歴史は古く、発見は平安時代とされています。
江戸時代には湯治場として知られていましたが、
1973年の大迫ダムの完成で水没。
「温泉資源を絶やしてはいけない」と、
湯元山鳩湯の先代が掘削すると、
炭酸泉(ナトリウム-炭酸水素塩・塩化物泉)が湧出したそうです。
湧出量は毎分500リットルと豊富。
浴槽には黄土色の湯があふれ、
丸太づくりだった内湯は、
温泉成分が堆積してもはや原型をとどめていません。
炭酸泉なので39℃とぬるめの湯ですが、
そのため長湯ができます。
重曹を含んだ湯は肌の古い角質が軟化され、
すべすべになる美肌の湯。
湯の峰温泉(和歌山県)

大昔の人々は、熊野詣での旅の途中、
この湯の峰温泉で湯垢離(ゆごり)をおこない、
身を浄めたと言います。
※湯垢離(ゆごり)とは湯で身を清めること
開湯の歴史は古く、
天然温泉の岩風呂「つぼ湯」は、日本最古の共同浴場と
言われています。
このつぼ湯は、湯の色が1日に何度か変化することから、
「七色の湯」とも呼ばれています。
「紀伊山地の霊場と参詣道」の一部として世界遺産に登録されてからは、
秘境の地ではありますが観光客が行き交います。
温泉だけでなく街並みも良く、
昔の温泉街の面影がそのまま残されています。
※湯ノ峰温泉についてはコラム③でも解説します。
Lesson8では
全国の名湯、秘湯を取り上げて解説してきました。
聞いたことがある温泉も、
初めて知った温泉もあったかと思います。
まずは自宅からアクセスの良い温泉地から
早速足をのばしてみてはどうでしょうか。
ぜひいろいろな温泉地を訪れて、
温泉の魅力を自分で確かめ、体験してみましょう。