Lesson8-6 全国各地の名湯(6)秘湯

このページでは、日本全国の秘湯を取り上げます。

秘湯というと、神秘的で田舎の山奥にあって、自然がそのまま残されていて・・・
というイメージでしょうか。

イメージそのままの秘湯もありますし、
実は、そうではない秘湯もあります。

歴史的秘湯、
確かな効能がある秘湯、
そして都内にある秘湯から、
日本最北端にある秘湯まで、
日本全国選りすぐりの秘湯を見ていきましょう。

豊富温泉(北海道)

日本最北端の温泉郷は、
稚内空港から車で50分ほどのところにある温泉地です。

豊富温泉は大正時代、石油の試掘中に噴出した温泉です。

昭和初期より、火傷やかぶれなどの症状に効果があると地元で親しまれ、
その後、乾癬やアトピーにも効果があることが口コミで広がるようになりました。

泉質は、含よう素ーナトリウムー塩化物泉と、
ナトリウム・塩化物ー炭酸水素塩泉の2種類がありますが、
どちらも僅かに油分を含み、油臭がします。

そのため、全身浴をすると湯が肌にしっとりとなじみ、
湯上がりに化粧水や乳液などをつけなくても、
肌がさほどつっぱらないのです。

美肌効果のあるメタケイ酸や消毒効果のあるメタホウ酸、
炎症鎮静効果のあるマグネシウムも含まれるため、
皮膚の症状に効用があります。

そのため、湯治客も多い傾向にあります。

赤湯温泉(新潟県)

秘湯の中の秘湯。
それが赤湯温泉です。

苗場山山麓の赤湯温泉「山口館」は、小日橋を下車後、
林道や登山道を徒歩で2時間以上行ったところにあります。

車ではアクセスできず、かなりアップダウンのある登山道を歩きますので、
体力に自信がある人向けの温泉です。

内湯はなく、露天風呂が3種類あり、
いずれも源泉かけ流し。

胃腸病に効果があると評判の温泉です。

風呂から眺める原生林は、
四季折々の顔を見せてくれます。

夜間は混浴になってしまいますが、
昼間の時間帯は女性専用時間がありますので、女性も安心して利用できます。

みくりが池温泉(富山県)

温泉のすぐ近くにあるみくりが池。よく晴れた風のない日は、水面に山が映る。

みくりが池温泉は、標高2410メートルの日本一高所にある天然温泉。

場所は、室堂ターミナルから歩いて15分ほどのところです。

地獄谷から引いた温泉は、
硫黄の香りが漂う単純酸性泉。

白く濁る湯は、無加水・無加温の源泉100%かけ流しです。

浴室の窓からは、山々や雲海が一望できます。

晴れた日の夜には、満点の星空も。

みくりが温泉は4月中旬〜11月下旬の期間限定。

気圧が低く、酸素も薄いので、
体調の良いときに訪れましょう。

高湯温泉(福島県)

高湯温泉は、吾妻山中腹の標高750メートルのところにあります。

高湯温泉には9つの源泉があり、
総湧出量は毎分3000リットル以上。

それを温泉宿ほんの数軒と共同浴場1軒のみで分けているので、
かなり豊富な湧出量となり、
当然のことながら源泉かけ流しとなります。

しかも浴場に引いてくるときに適温となるので、
大半の施設が無加水・無加温です。

泉質は酸性ー含硫黄ーカルシウム・アルミニウムー硫黄塩泉。

湧出時に透明で湧く湯は、
浴槽では空気に触れて美しい青乳白色になります。

共同浴場「あったか湯」は、
昔の湯屋を彷彿とさせる木造の建物で、
源泉100%かけ流しの評判の良い温泉施設です。

蛇の湯温泉(じゃのゆおんせん/東京都)

東京に秘湯?と驚くことでしょう。
蛇の湯温泉「たから荘」は、西多摩の山里にある温泉。

都内中心地からは車で2時間程度です。

傷ついた大蛇が川原の湯で傷を癒したことから、
このように呼ばれるようになったとか。

築300年以上の茅葺き屋根の家は、
国の登録有形文化財に指定されています。

泉質は単純硫黄泉。

源泉かけ流しではありませんが、
客室や浴室は清潔で清々しく、
南秋川のせせらぎや、周囲の豊かな自然が心地よい温泉です。

入之波温泉(しおのはおんせん/奈良県)

吉野川の源流近く、川上村大迫ダム湖の湖畔にある、
入之波温泉。

この温泉の歴史は古く、発見は平安時代とされています。

江戸時代には湯治場として知られていましたが、
1973年の大迫ダムの完成で水没。

「温泉資源を絶やしてはいけない」と、
湯元山鳩湯の先代が掘削すると、
炭酸泉(ナトリウム-炭酸水素塩・塩化物泉)が湧出したそうです。

湧出量は毎分500リットルと豊富。

浴槽には黄土色の湯があふれ、
丸太づくりだった内湯は、
温泉成分が堆積してもはや原型をとどめていません。

炭酸泉なので39℃とぬるめの湯ですが、
そのため長湯ができます。

重曹を含んだ湯は肌の古い角質が軟化され、
すべすべになる美肌の湯。

湯の峰温泉(和歌山県)

湯の峰温泉の街並み

大昔の人々は、熊野詣での旅の途中、
この湯の峰温泉で湯垢離(ゆごり)をおこない、
身を浄めたと言います。

※湯垢離(ゆごり)とは湯で身を清めること

開湯の歴史は古く、
天然温泉の岩風呂「つぼ湯」は、日本最古の共同浴場と
言われています。

このつぼ湯は、湯の色が1日に何度か変化することから、
「七色の湯」とも呼ばれています。

「紀伊山地の霊場と参詣道」の一部として世界遺産に登録されてからは、
秘境の地ではありますが観光客が行き交います。

温泉だけでなく街並みも良く、
昔の温泉街の面影がそのまま残されています。

※湯ノ峰温泉についてはコラム③でも解説します。


Lesson8では
全国の名湯、秘湯を取り上げて解説してきました。

聞いたことがある温泉も、
初めて知った温泉もあったかと思います。

まずは自宅からアクセスの良い温泉地から
早速足をのばしてみてはどうでしょうか。

ぜひいろいろな温泉地を訪れて、
温泉の魅力を自分で確かめ、体験してみましょう。