Lesson3-2 液性による温泉の分類

温泉施設に掲示されている「温泉分析書」を見たことはありますか。

温泉分析書には、泉温や泉質など、その温泉のさまざまな情報が載っていますが、
その一つに液性(pH値)の記載もあります。

温泉にはいろいろな液性のものがあり、次のように分類されます。

  • 酸性     pH3未満
  • 弱酸性    pH3以上6未満
  • 中性     pH6以上7.5未満
  • 弱アルカリ性 pH7.5以上8.5未満
  • アルカリ性  pH8.5以上

一般的には、pH7あたりが中性とされていますが、
温泉の分類に関しては、pH6以上7.5未満が中性とされています。

それは、pH値は温度に影響を受けるためです。

例えば中性の水の場合、25℃でpH7.0、80℃でpH6.0ほどになります。

つまり、中性でも温度によって差が出てしまうのです。

そのため、温泉の分類では値に幅を取って分類されています。

酸性泉

酸性泉は、火山ガスの二酸化硫黄や、
塩化水素ガスが溶け込んだものなどが多いのですが、
火山が多い日本ならではの泉質でもあります。

酸性泉は殺菌力が高く、切り傷や皮膚病などに効果がありますが、
刺激が強すぎで肌荒れを引き起こすことも
あります。

酸性が強い温泉では源泉50%で慣らしてから入る、あがり湯を使うなど、
温泉施設で入浴方法を確認してから利用すると良いでしょう。

酸性泉の温泉には、下記のような温泉があります。

草津温泉(群馬県)

酸性泉で有名。pH値は1.6ほど。

玉川温泉(秋田県)

日本一の強酸性泉で、pH1.2ほどの温泉を湧出。
療養泉として注目されています。

酸ヶ湯温泉(青森県)

pH1.4〜2.0ほど。


アルカリ性泉

一方、アルカリ性泉は、火山ではなく平野部などで多く湧出されています。

アルカリ性温泉には次のような温泉があります。

白馬八方温泉(長野県)

pHは11以上の強アルカリ性泉になり、
溶存水素量が日本一多いことで知られています。

入浴すると肌がきれいになるなど、アンチエイジング効果が期待できます。

西山温泉(山梨県)

pH9.36の強アルカリ性泉。

美肌効果が高い温泉として知られています。

飲泉も可能で、便秘や胃腸病などにも効果が期待できます。

榊原温泉(三重県)

pH9.4〜9.6の強アルカリ性泉。

榊原温泉は、清少納言の随筆「枕草子」の中で、
「湯は、ななくりの湯(榊原温泉)、ありまの湯、たまつくりの湯」
と記された
ように、名泉として知られる温泉です。

ぬる湯なので長湯ができ、入浴すると肌がツルツルになる、
美人の湯として有名。

飲泉もできます。


酸性とアルカリ性で分類する方法を理解できましたか。

次回、温泉を訪れたときには温泉分析書の掲示でpH値を確認してみましょう。

特に強酸性泉や強アルカリ性泉の温泉に巡り合ったときは、
お湯の感触や肌への影響などを観察してみるのもまた学びにつながります。

次のレッスンでは、「浸透圧による温泉の分類」について解説します。